四国ジビエ連携(四G連)を発足させて間もなく満9年になる。牛豚(飼料含め大半が輸入品)に押されて振るわない需要を喚起しようと勇み立ったのはよかったのだが、現実との乖離はあまりにも遠かった。要するに、大小の課題がばらばらに散在していたのである。むろん当方の無知や不勉強もあった。
捕獲から残渣処理まで無数の課題や作業があり、これらすべてを有機的・合理的にこなさなければ、継続性はもとより、価額も安定しない。その実、捕獲個体の90%以上が破棄されているのである。捕獲数でいえば、シカ70万頭、イノシシ60万頭である。もはや一元的・大局的政策を動員するしか有効な方法がない。

そこに国際連合が乗り出してきた! 2015年のことである。
Shikoku Delicious Gibiers! (四国の美味しいジビエを)と、四G連の活動目標をそのまま取り上げてくれたのである。どこか取り違えているところがあるみたいだが、まあいいや。
差し当ってシカとイノシシを無駄なく活用することが大事だがハクビシンもある。カラスやサルは今のところ好奇心の対象の域をでないが、本州ではメニューが出始めている。

この期に留意しているのは、「赤身」への関心が高まりつつあるということである。つまり、「夏イノシシ」が見直されているのである。要するに「夏イノシシはサシがないから美味しくない」という思い込みが消えつつあるのである。牛肉に対する嗜好の変化が伝わってきたのだろう。イノシシ肉と牛肉のサシは違うのだが、これもまあいいことにしておこう。
重要なことは、すべからく調理人の技量にかかっているというということである。そして、その出発点は「食材への愛着」にあるのということである。
がんばれ! シェフたち、 万歳! SDGs.

(2022年1月)